「中国最後の原始部落」で大火災、文化財をどう守る?

2月14日午後、「中国最後の原始部落」として知られている雲南省臨滄市滄源ワ族自治県にある翁丁寨で火事が発生、茅葺式の小屋がつながった構造になっていたことや当時強風が吹いていたことで消火を困難にし、一面が火の海のように燃え尽くされたということです。

火が消し止められたのは同日午後11時15分で、104棟が消失したものの死者やけが人はいなかったとのことで、それだけは幸いだったと思います。

 

火災の原因は現在、現地政府や消防救援当局が調査中とのこと。

 

約400年の歴史があり、中国でも最も良好な状態で保存されているワ族の村落であり、ワ族の生きた文化史そのものだったともいわれ、中国のSNSでも消失を惜しむコメントが多く見られます。

最近は文化観光区として開発され、雲南省の無形文化遺産の保護リストにも登録されていたということですが、文化財保護のあり方が今後の課題となるでしょう。

 

この記事を読んで、合掌造りで有名な白川郷を思い出しました。

白川郷・五箇山の合掌造り集落は、1995年(平成7年)にユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録されました。

茅葺きの木造建築という特徴から、火事に対する意識は高く、「火の用心」を呼びかけての見回りなど地道な活動が行われているようです。

「結」という相互扶助の制度を基本としながら茅葺屋根の葺き替えなどの保存活動が行われているようですが、観光地化や後継者不足など、様々な課題もあるようです。

 

また、集落内に合掌造りではない建物も増えてきて問題となっているようです。

今回中国で火災が発生したワ族の部落では、新たな建築の計画に対して、文化財保護の面での意見の対立があったとみられています。

文化遺産を保護・保存するための課題をいかに解決していくのか。

今回の火災の原因究明と全容の公開を切に願います。

 

<参考>

「中国最後の原始部落」と呼ばれる雲南省の翁丁村で大火災 家屋104棟が焼失--人民網日本語版--人民日報 (people.com.cn)

 

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