顏真卿の詩「勸學」に思う

   勸學    顏真卿

三更燈火五更雞,正是男兒讀書時。

黑發不知勤學早,白首方悔讀書遲。

 

真夜中から雄鶏が鳴くまでの間は、少年たちが勉強するのに最適な時間である。

若者が早起きして熱心に勉強することを知らなければ、年を取ってから勉強不足を悔やんでも手遅れになる。

 

「勸學」は、唐代の芸術家顔真卿(709-785)の七言絶句。

この詩は、顔真卿が子孫を励ますために書いたものとされます。

3歳で父を亡くした顔真卿は、母親の期待に応え、厳しい家庭教育を受けました。

彼自身、非常に規律正しく、毎日熱心に勉強していたといいます。

 

顔真卿は、政治家・書家として知られます。中国史の中でも屈指の忠臣とされ、唐代随一の学者・芸術家でもあります。

顔氏は、琅邪郡臨沂県を本貫とする名家であり、六朝時代以来、多くの学者を輩出しました。

また、顔氏は顔真卿以前より能書家の家系として知られており、真卿も壮年期には張旭に筆法を学び、書論『張長史十二意筆法記』を残しています。

 

顔真卿は、日本の書家にも大きな影響を与えました。影響を受けた書家には、弘法大師(空海)・井上有一・榊莫山らがいます。

2019年2月に、東京国立博物館で特別展「顔真卿 王羲之を超えた名筆」が開催され、大反響を呼びました。台北の故宮博物館から貸し出された「祭姪文稿」などを展示し、平日でも1時間以上の行列ができるほどの人気を博したことは記憶に新しいところです。

 

この詩で顔真卿は、若者に時間を無駄にせず、将来後悔しないようにしっかりと自分を律して学ぶことを勧めています。

人生100年時代、若者のみならず、誰でもいつからでも学び始めることができます。

時間を大切にしながら、修養を積み、実りある人生にしていきたいものです。

参考: https://so.gushiwen.cn/shiwenv_6a23fa2dab40.aspx

 

 

 墨をすり真白き紙に歌を書く己が裸体を晒すかのごと   cogito

 

 

 

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