孟郊の詩「 勸學」に思う

     勸學    孟郊

擊石乃有火,不擊元無煙。

人學始知道,不學非自然。

萬事須己運,他得非我賢。

青春須早為,豈能長少年。

 

石を打って始めて火花が生じ、打たなければ僅かな煙も生じない。

人間も同じであり、学ぶことによって始めて道を知ることができ、学ばずして自ずから知ることはできない。

何事も自ら実践すべきであり、他人が得た知識によって自分が賢くなることはない。

青年の時期に早く学ぶべきである。いつまでも若者ではいられないのだから。

 

「勸學」は、唐代の詩人孟郊(751-814)の五言古詩。

この詩は、学ぶことの大切さを説いたものです。

前に読んだ顔真卿の「勸學」と同じく、若いときに学びの好機を逃さないようにと説いています。

孟郊は、50歳の時、三度目の受験で進士に合格し、小さな官職を得ます。それまで嵩山での隠居や漂泊の生活を長く送っています。しかし、官職を得た後も、詩作にふけり仕事がおろそかとなり、官位を下げられたりしました。そのためか自分の境遇を嘆き、貧苦を訴える詩を多く詠んでいます。

孟郊が苦学の末、科挙に合格した際の喜びを読んだ七言絶句「登科後」や母愛に対する頌歌「遊子吟」が有名です。

 

この詩がいつ作られたのか定かではありませんが、若いときから積極的に学ぶべきだと説く率直な表現は、読む者の心に響きます。

 

参考:https://so.gushiwen.org/shiwenv_42a35d95ff08.aspx

 

 

 余白なきスケジュール帳傍らにどこへ行ったか私のやる気  cogito

 

 

 

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