杜牧の詩「題烏江亭」に思う

    題烏江亭

              杜牧

勝敗兵家事不期, 勝敗は兵家も事期せず

包羞忍恥是男兒。 羞を包み恥を忍ぶは是れ男児

江東子弟多才俊, 江東の子弟 才俊多し

卷土重來未可知。 巻土重来 未だ知るべからず

 

戦の勝敗は兵法家といえども予測できるものではない。羞を克服し、恥を堪え忍んでこそ、男児というもの。

江東(長江下流の地方:項羽の根拠地があったところ)の師弟には、優れた人材が多い。

砂塵を巻き起こす勢いで、再び攻め上って来ていれば、天下の形勢はどうなっていたかわからない。

 

「題烏江亭」は、唐代の詩人杜牧の七言絶句。

この詩は、歴史を振り返り、潔く恥を知る項羽に対して、諦めずに再挑戦すべきであったと

語る詠史詩です。

 

烏江亭は、安徽省和県の東北にあった渡し場で、漢の劉邦との戦いに敗れた楚の項羽が烏江亭まで落ちのびてきた時に、烏江亭の亭長が江を渡って逃げるようにと勧めますが、項羽はそれを断って、最後は自死を選びます。享年31歳。

 

杜牧は、長安の名門階級に生まれますが、出生時には既に衰退の途中にありました。隆盛を極めた唐朝もすでに衰退の一途をたどっていました。そうした世紀末的世相の中で、好んでこうした詠史詩を詠んでいます。その中でもこの詩は特に有名です。

 

長い人生に挫折や困難はつきものです。挫折を味わった時こそ真の人間力が問われるといいます。レジリエンス(resilience)という言葉もよく耳にするようになりました。

 

中国は、昨年末に377万人が参加した大学院入学試験の選抜が最終段階に来ています。

狭き門を目指して闘っている学生たちの多くは、目の前の門が突然閉ざされる挫折を味わうことになります。そんな時に読んでほしい詩でもあります。

 

参考:《唐诗鉴赏辞典 新一版》2013年,上海辞书出版社,1199-1200页

https://so.gushiwen.org/shiwenv_f901ff46c060.aspx

 

 

失敗はより良く生きるスパイスと辛さ10なるカレー選べり  cogito

 

 

f:id:COGITO:20210326112226j:plain