賀知章の詩「詠柳」に思う
詠柳 賀知章
碧玉妝成一樹高,萬條垂下綠絲絛。
不知細葉誰裁出,二月春風似剪刀。
碧玉で着飾ったように美しい柳の木は、すらりと高く伸び、無数の新緑の枝葉を絹紐のように垂らしている。
この細い柳の葉は、誰が切り裂いたのだろうか。そう、まるで剪刀のような二月の春風だ。
「詠柳」は、唐代の詩人賀知章の七言絶句。
この詩は、早春二月の柳を詠んだものです。
春が訪れ、柳には薄緑色の新芽が芽吹き、無数の柔らかな枝葉が絹紐のように水辺に垂れて、春風に揺れています。それはまるでほっそりとした身を碧玉で着飾った女性のように美しく魅力的です。中国古典の詩詞で、柳は、しばしばすらりとした女性の姿にたとえられます。
その魅惑的な柳の姿に酔っていると、ふとある疑問が沸いてきます。「この細く伸びる柳の葉は、誰がこのように切り裂いたのか」と。この問いかけは新鮮です。そして、剪刀(ハサミ)のような春風の仕業であると結びます。
春の到来とともに大地には新たな生命の躍動が見られます。
大地に新たな装いをもたらす春の魅力と自然の活力に対する賛美の詩ともいえそうです。
参考:《唐诗鉴赏辞典 新一版》2013年,上海辞书出版社,60-61页
https://so.gushiwen.org/shiwenv_9936770100ef.aspx
佐保姫の眠りを覚ます麗ら日に猫柳の穂はじき初めたり cogito