白居易の詩「春題湖上」に思う
春題湖上
白居易 〔唐代〕
湖上春來似畫圖,亂峰圍繞水平鋪。
松排山面千重翠,月點波心一顆珠。
碧毯線頭抽早稻,青羅裙帶展新蒲。
未能拋得杭州去,一半勾留是此湖。
西湖に春が来れば、それはまるで絵のように美しい。
不揃いにそびえたつ峰々に囲まれて、湖面は波もなく平らである。
山の側面には松が列をなして幾重にも翠緑を重ね、月がさざなみの中心に一粒の真珠のように映っている。
緑の絨毯の毛先に見えるのは、早稲の発芽した穂先であり、青い羅の裳裾と帯に見えるのは 蒲の新芽の広がりである。
まだこの杭州の地を投げ捨てて去ることができない、その半分の理由は、この美しい湖にあるのだ。
「春題湖上」は、唐代の詩人白居易の七言律詩。
この詩は、杭州西湖の春の風景を詠んだものです。
白居易は、長慶2(822)年に杭州刺史に任命され、10月に着任します。その後長慶4(824)年5月末に洛陽に赴くまでの間を杭州で過ごしています。
この詩は、長慶4(824)年の春、杭州での任期を終えようとする頃に詠まれたものと考えられます。
白居易は、杭州在任中に西湖にまつわる詩を多く読んでいます。中でもこの詩は、春の西湖を細密に描きあげており、まるで絵を見ているかのようです。
詩人の西湖に対する深い愛情を感じることができます。
参考:https://so.gushiwen.org/shiwenv_e2f67c5d865c.aspx
釣りあぐる魚は今でも瑞瑞し鯛釣草の紅に息呑む cogito