陸龜蒙の詩「春曉」に思う

           春曉

             陸龜蒙 〔唐代〕

春庭曉景別,清露花邐迤。

黃蜂一過慵,夜夜棲香蕊。

 

春の明け方の庭には、清らかな朝露が艶やかな花びらの上で連なっている。

香り豊かな花蕊には、黄色い蜂が夜の間、疲れた体を休めている。

 

「春曉」は、唐代の詩人陸龜蒙(?-881年)の五言絶句。

この詩は、春の黎明に庭で見た景物を詠んだものです。

詩人の自然を見守る暖かな眼差しが感じられる詩です。

 

陸龜蒙は、唐代の農学者で、文学者。

若い頃から六経に通じ、特に『春秋』に精通していましたが、進士には及第せず、時の湖州・蘇州の刺史を歴任した張摶の幕僚として刺史に従って遊歴した後、故郷蘇州甫里(現在の江蘇省蘇州市呉中区甪直鎮)に帰り、隠遁して晴耕雨読の生活を過ごし、自ら天隨子と号しました。

著書に農学書の『耒耜経』があります。

茶を嗜むことを好み、顧渚山の麓に茶園を開き、晴耕雨読の生活を楽しみました。

皮日休と友人となり、しばしば共に山川に遊び、酒を飲んで詩を吟じ、世に“皮陸”とも称されました。風景を詠んだ詩を多く作っています。

 

参考:https://so.gushiwen.org/shiwenv_3bae8ef81377.aspx

 

 

散策に見つけたる花の紫はいしゃころしなる薬効ありき  cogito

 

 

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