王維の詩「戲題盤石」に思う

       戲題盤石

         王維 〔唐代〕

可憐盤石臨泉水,複有垂楊拂酒杯。

若道春風不解意,何因吹送落花來。

 

大きくて平らな岩がある。(まるで私のために準備されたテーブルのような)素晴らしい岩である。足下には泉が湧き清らかな水が流れている。また、青々とした柳の枝葉が垂れて、私の酒杯をなでていく。もし、春風は人の心を解さないというのであれば、どうして花を散らし花びらを贈ってくれようか。(春風は私の心を察して、花を散らして花びらを届けてくれる。)

 

「戲題盤石」は、唐代の詩人王維(701-761年)の七言絶句。

この詩は、山中の大きな岩を題材として心情を詠んだものです。

 

詩人は、山中に見つけた岩をテーブルにして、一人酒を飲みます。盤石、泉水、垂楊、春風、落花など、自然の景物のすべてが詩人の目には美しく清らかに映り、喜びをもたらしてくれるのです。

王維は詩人としてだけでなく、南宋山水画の祖としても知られ、蘇軾は「詩中に画有り、画中に詩有り」と評しました。

自然に語りかけ、自然と一体となって生を謳歌する詩人の姿から、生きることの素晴らしさを感じ取ることができます。

 

参考:https://so.gushiwen.org/shiwenv_835f95b63d1e.aspx

 

 

茶室にて初夏の陽差しを暫し避けぼろんかずらに時を預けり  cogito

 

 

 

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