徐凝 の詩「春雨」に思う

      春雨

        徐凝 〔唐代〕

花時悶見聯綿雨,雲入人家水毀堤。

昨日春風源上路,可憐紅錦枉拋泥。

 

本来であれば花々が咲き乱れる春であるのに、連日雨が降り続き、黒く垂れ込めた雲はさらに雨を降らせ、堰堤が壊されてしまった。

昨日の春風は、これから天気が好転することを予感させ、旅立ちを予定していたのに、まさかの大雨で路が閉ざされ、出発できなくなってしまった。

 

「春雨」は、唐代の詩人徐凝(生没年不詳)の七言絶句。

この詩は、春の長雨に遇い旅立ちできない様子を詠んだものです。

旅の途中で長雨に足止めされ、如何ともしがたい心情が伝わってきます。

 

徐凝は、浙江睦州の人。

詩は102首が伝わっており、そのうち五言と七言の96首を占めています。中でも七言絶句を得意とし80首が残っています。

 

今年は、日本各地で例年よりも二十日以上早く梅雨入りし、今後、梅雨前線が長く停滞し、大雨のリスクも高まると予想されています。備えが必要だと思われます。

 

上海もこのところ雨の日が多くなっています。

鬱陶しい日が続きますが、心身の健康管理に気をつけていきたいものです。

 

参考:https://so.gushiwen.org/shiwenv_f7d03c688b75.aspx

 

 

烏龍茶に金木犀の香を添へてひとりいただく窓外は雨   cogito

 

 

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