中国は低出生率の問題をどうやって解決するか

中国では、第7回全国国勢調査の結果を受けて、少子化に対する議論が活発になっています。

中国メディアが「中国は『低出生率の落とし穴』にはまったのか?」とする論説を掲載しています。

【中国キーワード】中国は「低出生率の落とし穴」にはまったのか?--人民網日本語版--人民日報 (people.com.cn)

 

その中で、「低出生率の問題をどうやって解決するか」という問いに対して、

復旦大学社会発展・公共政策学院社会学部の王豊特任教授は、「明確にしておかなければならないのは、出産は家庭のプライベートな問題だということだ。私たちがより議論すべきなのは、どのような社会に暮らしたいかということであり、この点を出発点としてより広義の社会政策を議論・策定し、人々がより生きやすい社会環境を作り出し、ジェンダー平等がより進んだ社会を実際に構築することが必要だ。人々のニーズを出発点として問題を検討すべきだ」との見方を示しています。

 

また、中国・グローバル化シンクタンクの特別招聘上級研究員で「人口と未来」サイト共同創設者の黄文政氏は、「個人のレベルでは、すべての人に自分のライフスタイルを選択する権利がある。結婚したいと思う人もいれば、子どもがほしくないという人もいるし、子どもは1人でいいという考えも理解できる。出産の奨励は、生まない人や1人だけ生みたい人に対して決して懲罰的であってはならない。社会が持続可能な発展を遂げ、民族が代々続くようにするため、複数の子どもを産み育てる家庭の社会への貢献を補償し、子育ての負担を減らすことが必要だ」と述べ、

さらに、「具体的な方法はたくさんある。たとえば税還付や現金による補助金支給などの方法で、複数の子どもがいる家庭に累進制の奨励策を適用し、公的な普恵型幼稚園を大規模に建設し、保育所サービスを行き渡らせ、学制の期間を短縮し、複数の子どもがいる家庭の住宅購入に際して土地使用権譲渡金を還付し、子どもの数と年金額が連動するようにし、『子育てデー』を設定するなどだ。もちろん、こうした出産奨励措置すべての前提は、低出生率の危機を直視することにある」と述べています。

 

国家統計局の関係調査によると、中国の出産年齢にある女性が希望する子どもの数は1.8人だと言います。

果たして、希望する女性が自由に子供を産み育てることができる社会が構築されるのでしょうか。

「一人っ子政策」の緩和から「二人っ子政策」へと政策変換をはかり、模索を続ける中国社会が、今後どのように変っていくのか、見守りたいと思います。

 

祝您有个美好的一天!(良い一日を!)