元稹の詩「詠廿四気詩·立夏四月節」に思う

詠廿四気詩·立夏四月節 

     元稹 〔唐代〕

欲知春与夏,仲呂啓朱明。

蚯蚓誰教出,王菰自合生。 

簾蚕呈繭様,林鳥哺雛声。 

漸覚雲峰好,徐徐帯雨行。

 

春と夏の入れ替わりは、(農歴)4月になり立夏節を迎え、夏の始まりが告げられることで知ることができる。

誰から教えられたのか蚯蚓(ミミズ)は土から出てきて、王瓜(カラスウリ)は自ら蔓を伸ばしていく。

竹の簾の上で蚕が繭を作る様がみられ、林の中で鳥が雛に餌を与えている声が聞こえてくる。

山の峰を雲霧が渦巻きはじめると、その雲がゆっくりと雨を運んで来て、やがて去って行く。

 

「詠廿四気詩·立夏四月節」は、唐代の詩人元稹(779-831年)の五言律詩。

この詩は、二十四節気の一つである立夏を詠んだものです。

 

元稹は、洛陽 (現在の河南省洛陽) の人。元和1 (806) 年科挙に及第し、左拾遺となりますが権臣に憎まれ河南尉に左遷されます。その後も左遷と昇進を経て、長慶2 (822) 年宰相となりますが,半年足らずで浙東監察使に転出,武昌軍節度使に移って亡くなります。白居易と親交があり,唱和した詩が多く,また,ともに李紳の『新題楽府』に刺激された『新楽府』の創作にもあたり「元白」と並称されました。ともに平易な表現を特色として,その詩風は「元和体」と呼ばれています。

 

元稹は、二十四節気を二十四首の五言律詩で詠んでいます。

その内容は豊富多彩で、中国の中原地方の気候や農事と結びつき、人々の生活や風俗を鮮やかに描き出しています。その構成や表現は質朴であり、読後に爽やかな余韻が残ります。

 

参考:https://so.gushiwen.org/shiwenv_8447a598ca49.aspx

 

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