白居易の詩「池上」に思う

    池上

    白居易 〔唐代〕

小娃撐小艇,偷採白蓮回。

不解蔵蹤跡,浮萍一道開。

 

子供が竿で小舟を操り、こっそりと池の中から白い蓮の花を採って帰って来る。

彼は自分の行方を隠すことを知らず、水面には小舟が浮草を分けて通った一本の跡が残されている。

 

「池上」は、唐代の詩人白居易(772-846年)の五言絶句。

この詩は、夏の日に子供が池からこっそりと蓮の花を摘んでゆく様子を詠んだものです。

 

子供が小舟で現場に登場し、小舟が作った水線だけを残して去って行く情景が描かれています。

詩人は、僅か20字の中で、夏の日の蓮池の場面から子供の行動、心理状態までも描き出しており、天真爛漫な子供に対する暖かな眼差しを感じ取ることができます。

 

白居易は唐代の詩人の中で最も多くの詩を残しており、詩の内容も多彩です。比較的分かり易い言葉を使いながらも深い味わいがあり、共感を誘います。

参考:https://so.gushiwen.org/shiwenv_a8f44614071a.aspx

 

 

潮溜まりに置きゆかれたる小魚を子らの見つけて算段はじむ   cogito

 

 

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