漢字の国の「書法」

中国人の友人と「書」について話をしました。

 

中国人にとって、「書法」は国粋であり、創作においても妥協を許さない厳しさがあります。

友人が、自作の漢詩の内容と書作品の構成意図について語るとき、改めて「漢字」に対する愛を感じます。

 

文字がなかった時代、日本は中国から「漢字」を学び、吸収して、自国の文字体系を作り上げました。

しかし、「漢字」という偉大な文字を創造した古人に対する崇拝の念と、その歴史から学ぼうとする謙虚さや勤勉さは、中国人にはとうてい及ばない気がします。

「漢字」は、どこまでも借り物であり、そこから作られた平仮名や片仮名も、やはり日本独自のものとして大事にしきれていないのです。

 

自分の短歌と書を見つつ、そんなことを感じた午後でした。

 

 筆跡に拡大鏡の近づきて脱がされてゆく吾の薄衣  cogito