白居易の詩「杭州春望」に思う

                  杭州春望

       白居易 〔唐代〕

望海樓明照曙霞,護江堤白踏晴沙。

濤聲夜入伍員廟,柳色春藏蘇小家。

紅袖織綾誇柿蒂,青旗沽酒趁梨花。

誰開湖寺西南路,草綠裙腰一道斜。

 

杭州の城外を望むことができる望海楼が、朝焼けに照らし出され、治水の堤防(西湖の中の白堤)には、波が打ち寄せ、白砂を濡らしている。
夜になると、銭塘江の流れの音が伍員廟あたりまで響き、春になると、柳の緑が蘇小家を覆い隠す。
赤い袖の若い女性は、「柿蒂花」の紋様を誇り、青い旗標の酒屋では、(梨の花が咲く時期に熟成するという)「梨花春」という酒を売っている。
誰が湖にあるお寺(孤山寺)の西南側にある道を切り開いたのか。その道は、まるで草緑色のスカートが腰から斜めに広がっていくように、一筋の道が斜めになって放射状に通っている。 

 

「杭州春望」は、唐代の詩人白居易(772-846年)の七言律詩。

この詩は、杭州の春の風景を詠んだものです。

 

白居易は、長慶2(822)年に杭州刺史となり、行政官として西湖の整備や治水などを推し進め、大きな業績をあげています。

杭州や西湖をこよなく愛し、多くの詩を詠んでいます。その中でもこの詩は、杭州の春の様子を全面的に描写したもので、杭州の自然の美しさと人情を織り交ぜ、景物を豊かに多彩に描いており、杭州賛美の情感があふれています。

 

参考:《唐诗鉴赏辞典 新一版》2013年,上海辞书出版社,988-989页

https://so.gushiwen.org/shiwenv_a6ae13ab79b8.aspx

 

 

たおやかに残り人生生きてみむアガパンサスの路辺に揺るる  cogito

 

 

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