中国の「双一流」は格が違う!?
中国の大学は、新学期のシーズンを迎えています。
今月23日、湖北省武漢市にある武漢大学の学生たちが学校に戻り始めており、そんな学生たちを出迎えるかのように、同大学の早咲きの桜が開花シーズンを迎えている、と中国メディアが伝えています。
武漢大学は、中国で最も歴史がある国家重点大学の一つで、985工程、211工程に指定されており、双一流と呼ばれる日本のSGU(スーパーグローバル大学)に相当する名門大学です。大学キャンパスにはたくさん桜の木が植えられており、桜の名所としても知られています。
211工程は、経済や社会の発展のために教育レベルを向上させて優秀な人材を育成するため、1995年11月に中国国務院(日本の内閣に相当)の承認を得て始まった大学教育改善プロジェクト。そのプロジェクトに選ばれた大学を211プロジェクトの大学といいます。
985工程は、世界の一流大学と世界的な知名度をもった高いレベルの研究型の大学を目指すために始まったプロジェクト。そのプロジェクトに選ばれた大学は985プロジェクトの大学と呼ばれています。
双一流とは、世界一流大学・一流学科の略称で、21世紀中葉に高等教育強国を築き上げることを目標として中華人民共和国が2010年代に実施をはじめた高等教育政策。
2017年に教育部が「世界一流大学・一流学科(略称『双一流』)」建設プロジェクトの対象となる大学および学科のリストを発表し、これにより、同計画は実施段階に入っています。世界一流大学建設の対象となるのは計42校、世界一流学科建設の対象となる大学は計95校です。
私は2018年5月に大学の外国人教師研修で武漢大学を訪れました。
大学院生が大学の歴史などを説明しながら、キャンパス内を案内してくれました。
桜はすでに散っていましたが、キャンパス内には木々が多く植えられ、自然に恵まれた環境の中に歴史ある建物が鎮座しており、「双一流」の風格を感じました。
案内してくれる学生の口調からも母校に対する愛と誇りが感じられました。
私は、常々最高学府を見れば、その国の未来がわかると思っています。
アメリカ在住時は、ハーバード大学を始め、多くの大学を訪れ、その広さと環境の素晴らしさとともに、博物館や研究室などの充実した設備に圧倒されました。
スタンフォード大学には、タイガー・ウッズが練習したというゴルフコースがあり、関係者は格安でプレイすることができました。
2004年に北京大学に短期留学した際は、故宮を思わせる歴史科の建物をはじめとして、アメリカの大学とは異なる中国独特の風格に歴史と文化を感じました。
中国の大学に赴任してからは、研究や研修で大学を訪れることも多くなりました。中国の大学は、どれも敷地が広大で、その規模の大きさに圧倒されます。その中でも、やはり国家重点大学には、格の違いを感じさせる雰囲気があります。
武漢大学を案内してくれた大学院生が「ここで学べることを誇りに思います」と語った言葉が忘れられません。
私が教えている大学の「桜街道」に植えられた桜の木も、ここ数日の暖かさで、蕾が少しずつふくらみ始めているようです。
<参考>
早咲きの桜が開花した武漢大学に学生戻る 湖北省 (3)--人民網日本語版--人民日報 (people.com.cn)
「双一流」建設の対象大学・学科リストが発表--人民網日本語版--人民日報 (people.com.cn)
【ニュース・中国】教育部、2018年に「双一流」大学に対する中期評価を適時開始へ | JSPS海外学術動向ポータルサイト
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