中国円明園の古い写真が一般公開となる
中国では円明園の古い写真が一般公開されました。
円明園管理処は24日午前、円明園の古い写真の公開イベントを行い、会場では365枚の貴重な古い写真が公開され、その大多数が初の一般公開となった。うち1920年代に撮影された正覚寺文殊亭内の文殊菩薩の全身の写真は今回初めて発見された、と中国メディアが伝えています。
また報道では、フランス人のRobert DE SEMALLÉ氏が1882年頃に撮影した、完全に破壊される前の円明園木造建築の写真が公開され、これらの古い写真には、円明園の建築が完全に破壊される前の状況がはっきり写っており、円明園の中国風建築が初めて文献と絵画以外の形式によって示されたとも述べています。
円明園が365枚の貴重な古い写真を公開 --人民網日本語版--人民日報 (people.com.cn)
また、昨年12月には円明園長春園の西洋建築群「海晏堂」の外に設置されていた十二生肖獣首噴水の主要な構成部分の一つであり、中国が、1860年に英仏連合軍が北京に侵攻し、円明園は略奪と焼き打ちの被害に見舞われ、他の11体の獣首銅像とともに海外に流出したとする馬首銅像が円明園に戻されています。
円明園に帰ってきた馬首銅像 北京市--人民網日本語版--人民日報 (people.com.cn)
海外に流失した文化財の中国への帰還と遺跡から出土した重要文化財の修復が進められています。
円明園で西洋楼文化財の修復作業スタート--人民網日本語版--人民日報 (people.com.cn)
円明園は遺跡として現在も保存され、「愛国主義教育」の拠点の一つとなっています。
1860年10月に英仏連合軍が北京に侵攻し、円明園から財宝を略奪し焼き打ちにしたことは、中国の義務教育教科書「中国歴史」8年(上)pp.9-10にも記載されています。
教科書には、さらにフランスの文豪ユーゴー(1802-1885)がバトラーという名の上尉に送ったとする書簡の一部が記載されています。その書簡でユーゴーは、英と仏を強盗と呼び、中国の円明園から盗んだ文物は中国に返されるべきだと述べています。
円明園の焼失や十二生肖獣首銅像の流失に関しては、国外から異論も出されていますが、中国国内においては、2012年に習近平国家主席が掲げた「中華民族の偉大なる復興」という「中国の夢」を実現するための象徴となっています。
昨年12月に馬首銅像が円明園に戻ったという報道の後、この件について中国の大学関係者と話をしました。
小・中学校の教科書に書かれていることの一部に異論があることは知っているが、国家としての政策であり、異議をとなえるつもりはない、と言葉を濁されました。
中国の教壇では、こうした内容に触れることは御法度であり、外国人教師も、もちろん中国のルールに従わなければなりません。
中国は二つの百年努力目標を掲げ猛進してきました。一つ目の目標は中国共産党成立100年に当たる今年2021年に小康社会建設を達成し、国内総生産(GDP)と都市・農村部住民の所得を2010年比で倍増するというもの。
今月25日、習近平国家主席が全国貧困脱却難関攻略総括表彰大会で重要談話を発表し、「全党と全国各民族の人民の共同の努力を経て、中国共産党創立100周年を迎える重要な年に、中国の貧困脱却の難関攻略における全面的な勝利を収めた。」と宣言しました。
習主席が「中国の貧困脱却の難関攻略における全面的な勝利」を厳かに宣言--人民網日本語版--人民日報 (people.com.cn)
今後さらに、もう一つの目標である中華人民共和国が成立100年を迎える2049年に富強・民主・文明・調和をかなえた社会主義現代国家の建設を達成し、中等先進国の水準に達するという目標を実現するための取り組みが続くと思われます。
「中華民族の偉大なる復興」という「中国の夢」を実現するために、今後も続いていく中国の奮闘を、見守りたいと思います。
祝您有个美好的一天!(良い一日を!)