中国大連市で集団免疫をほぼ獲得との報道
遼寧省大連市衛生健康委員会は18日、同日午後3時の時点で、市全域の新型コロナウイルスワクチン接種を受けた人の数が448万8600人で、接種回数は510万200回に達し、市民の間でほぼ集団免疫を獲得していることを明らかにしました。
常住人口の60%以上が少なくとも1回目の接種を終え、1回目の接種を受けた18歳以上の市民の割合は70%以上となっているといいます。
http://j.people.com.cn/n3/2021/0519/c94475-9851829.html
中国のワクチンは、その有効性が低いことが指摘され、中国の専門家もそれを認めています。しかし、ワクチン接種は、確実に進められてきており、大学でも非接種者はかなりの少数派になってきました。
労働節の連休明けには、移動に伴う感染拡大も懸念されましたが、国内における毎日の新規感染者数もごく少数に抑えられており、やはりワクチンが奏功していると思われます。
祝您有个美好的一天!(良い一日を!)
白居易 の詩「夜雨」に思う
夜雨
白居易 〔唐代〕
早蛩啼複歇,殘燈滅又明。
隔窗知夜雨,芭蕉先有聲。
早啼きの蟋蟀が啼いてはまたやみ、油が残り少なくなった灯は消えてはまた灯る。
芭蕉の葉の音で、窓の外では雨が降りはじめたのがわかる。
「夜雨」は、唐代の詩人白居易(772-846年)の五言絶句。
この詩は、夜の雨を詠んだものです。
詩人は、夏から秋へと向かう、まだ暑さが残る夜に降る雨を、自身の落ち着かない不安な心情を託して詠んでいます。
雨が降る様子を直接的には描写せず、周囲の景物の変化で描写しており、読むものの想像を拡げてくれます。
参考:https://so.gushiwen.org/shiwenv_4f4d2b19626e.aspx
左脳でも聞いてみなさい虫の声君はノイズと耳を覆へり cogito
中国は低出生率の問題をどうやって解決するか
中国では、第7回全国国勢調査の結果を受けて、少子化に対する議論が活発になっています。
中国メディアが「中国は『低出生率の落とし穴』にはまったのか?」とする論説を掲載しています。
【中国キーワード】中国は「低出生率の落とし穴」にはまったのか?--人民網日本語版--人民日報 (people.com.cn)
その中で、「低出生率の問題をどうやって解決するか」という問いに対して、
復旦大学社会発展・公共政策学院社会学部の王豊特任教授は、「明確にしておかなければならないのは、出産は家庭のプライベートな問題だということだ。私たちがより議論すべきなのは、どのような社会に暮らしたいかということであり、この点を出発点としてより広義の社会政策を議論・策定し、人々がより生きやすい社会環境を作り出し、ジェンダー平等がより進んだ社会を実際に構築することが必要だ。人々のニーズを出発点として問題を検討すべきだ」との見方を示しています。
また、中国・グローバル化シンクタンクの特別招聘上級研究員で「人口と未来」サイト共同創設者の黄文政氏は、「個人のレベルでは、すべての人に自分のライフスタイルを選択する権利がある。結婚したいと思う人もいれば、子どもがほしくないという人もいるし、子どもは1人でいいという考えも理解できる。出産の奨励は、生まない人や1人だけ生みたい人に対して決して懲罰的であってはならない。社会が持続可能な発展を遂げ、民族が代々続くようにするため、複数の子どもを産み育てる家庭の社会への貢献を補償し、子育ての負担を減らすことが必要だ」と述べ、
さらに、「具体的な方法はたくさんある。たとえば税還付や現金による補助金支給などの方法で、複数の子どもがいる家庭に累進制の奨励策を適用し、公的な普恵型幼稚園を大規模に建設し、保育所サービスを行き渡らせ、学制の期間を短縮し、複数の子どもがいる家庭の住宅購入に際して土地使用権譲渡金を還付し、子どもの数と年金額が連動するようにし、『子育てデー』を設定するなどだ。もちろん、こうした出産奨励措置すべての前提は、低出生率の危機を直視することにある」と述べています。
国家統計局の関係調査によると、中国の出産年齢にある女性が希望する子どもの数は1.8人だと言います。
果たして、希望する女性が自由に子供を産み育てることができる社会が構築されるのでしょうか。
「一人っ子政策」の緩和から「二人っ子政策」へと政策変換をはかり、模索を続ける中国社会が、今後どのように変っていくのか、見守りたいと思います。
祝您有个美好的一天!(良い一日を!)
李白の詩「夏日山中」に思う
夏日山中
李白 〔唐代〕
懶搖白羽扇,裸袒青林中。
脫巾掛石壁,露頂灑松風。
白い羽の団扇で扇ぐのもめんどうで、青々と木の茂る森林の中で肩肌脱ぎになる。
頭巾を脱いで岩の壁面にひっかけ、冠をつけないで頭を露わにして松の木を吹き抜ける風に晒してみる。
「夏日山中」は、唐代の詩人李白(701-762年)の五言絶句。
この詩は、夏の山中で暑さをしのぐ様子を詠んだものです。
李白は「詩仙」と呼ばれ、浪漫主義の詩人として知られています。
詩人は、夏の日の山中で、冠を外して肌脱ぎになり、松の林を抜けてくる青みを帯びた風に当りながら涼みます。その自由闊達な姿が、自然にかつ飄々と描かれています。
酒を好み、豪放で飄逸な詩を多く残していますが、この詩も、20字という僅かな字数の中で李白らしさを十分に感じさせてくれる詩といえそうです。
参考:https://so.gushiwen.org/shiwenv_133e29e8a051.aspx
天気良く気分爽快本日はレモンオイルに家具を磨かむ cogito
中国の高等教育機関は今後どう変るか
日本のメディアが以下のように報じています。
中国共産党はこのほど大学の研究や教育の場で党の社会主義思想や歴史観を徹底し、教員や学生の思想監視を強化する規則を通知した。一党支配の下でこれまでも制約を受けていた「学問の自由」は監視強化により完全に否定された形だ。
規則は高等教育機関における「党組織工作条例」の改定版で、4月16日に通知された。改定前も「毛沢東思想」や「愛国主義」などの教育をすると規定していたが、改定版は思想教育を「最優先する」と強調し「習近平の新時代の中国の特色ある社会主義思想」を徹底するよう要求。巡視活動を定期的に実施し、不十分な場合は警告処分などもあり得るとしている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/5b935a3ab42e55ee141150bed7a84bb77e388999
中国の大学では、具体的にシラバス《大纲》の修正が通知されました。
現在、修正要求に従って各教科の担当教員が書きかえを行っている段階です。
どの程度要求に沿えば承認されるのかは、現在のところ不明です。
祝您有个美好的一天!(良い一日を!)
徐凝 の詩「春雨」に思う
春雨
徐凝 〔唐代〕
花時悶見聯綿雨,雲入人家水毀堤。
昨日春風源上路,可憐紅錦枉拋泥。
本来であれば花々が咲き乱れる春であるのに、連日雨が降り続き、黒く垂れ込めた雲はさらに雨を降らせ、堰堤が壊されてしまった。
昨日の春風は、これから天気が好転することを予感させ、旅立ちを予定していたのに、まさかの大雨で路が閉ざされ、出発できなくなってしまった。
「春雨」は、唐代の詩人徐凝(生没年不詳)の七言絶句。
この詩は、春の長雨に遇い旅立ちできない様子を詠んだものです。
旅の途中で長雨に足止めされ、如何ともしがたい心情が伝わってきます。
徐凝は、浙江睦州の人。
詩は102首が伝わっており、そのうち五言と七言の96首を占めています。中でも七言絶句を得意とし80首が残っています。
今年は、日本各地で例年よりも二十日以上早く梅雨入りし、今後、梅雨前線が長く停滞し、大雨のリスクも高まると予想されています。備えが必要だと思われます。
上海もこのところ雨の日が多くなっています。
鬱陶しい日が続きますが、心身の健康管理に気をつけていきたいものです。
参考:https://so.gushiwen.org/shiwenv_f7d03c688b75.aspx
烏龍茶に金木犀の香を添へてひとりいただく窓外は雨 cogito
中国最貧困地域の一つ大涼山地区で暮らす少数民族のイ族のドキュメンタリー映画
中国南京で活動するドキュメンタリー監督竹内亮さんの最新作が中国で話題になっています。
厳しい地形が交通網の発展を阻み、経済発展が難しいため、中国最貧困地域の一つといわれる中国四川省南部に位置する大涼山地区で暮らす少数民族のイ族の様子を収録しています。
大涼山地区に暮らす人たちの多くは教育を受けていません。小学校も卒業していない人が多く、子どもにとってボランティア教師はとても重要な存在です。しかし、生活環境の過酷さから、貧困地区での指導を望む教師は少ないのが現実です。
しかし、このドキュメンタリーがきっかけとなり、多くの若者がこの地区でのボランティア教師を希望しているようです。
「外のことを教えてくれる先生が必要」――中国最貧困地区に暮らす少数民族の願い - 竹内亮 | Yahoo! JAPAN クリエイターズプログラム
ぜひ、多くの方にドキュメンタリー映画を見ていただきたいと思います。
祝您有个美好的一天!(良い一日を!)