李商隠の詩「樂遊原」に思う
樂遊原
李商隠
向晚意不適, 晩に向んとして 意適はず,
驅車登古原。 車を驅りて 古原に登る。
夕陽無限好, 夕陽 無限に好し,
只是近黃昏。 只だ是れ黄昏に近し。
日が暮れようとする頃、気分が晴れず、車を駆って樂遊原に登る。
夕日は、限りなく素晴らしいが、すでに黄昏が近づいている。
「樂遊原」は、唐代の詩人李商隠の五言絶句。
この詩は、暫しの間、美しく輝く夕日を通して、人生の哲理を詠んだ詩です。
詩人は、夕刻気分が晴れずに車を走らせて樂遊原に登ります。そこでは美しく輝く夕日が詩人を迎え、暫しその美しい世界に浸ります。がしかし、すぐにその時間の短いことを悟ります。人生の老境に対する詩人の感慨が反映されているようです。
樂遊原は、長安(現在の西安)の東南にある高所で、長安を眺め渡すことができる名勝地でした。文人墨客はよくここを訪れ、詩文の構想を練りました。唐代の詩人たちもここに登り、百首近くの詩を残しています。
李商隱のこの詩もその一つです。
李商隱が生きた唐の時代から1200年を経た現代、人生100年時代を迎え、長くなった黄昏の時をどのように生きるかは、大きなテーマになっています。
美しく輝く夕日は、時に世界を多彩に染め上げ、人を陶酔させます。
大陸に吸い込まれるまでの時を、やわく美しく輝きたいものです。
参考:《唐诗鉴赏辞典 新一版》2013年,上海辞书出版社,1250-1251页
https://so.gushiwen.org/shiwenv_ee9af27de9f2.aspx
一日を大脳皮質に生きて来し吾の血球に落日を融く cogito