2021-02-01から1ヶ月間の記事一覧

劉禹錫の詩「歲夜詠懷」に思う

歲夜詠懷 劉禹錫 彌年不得意,新歲又如何。 念昔同遊者,而今有幾多。 以閑為自在,將壽補蹉跎。 春色無情故,幽居亦見過。 年を経るごとに思い通りにならなくなる、新しい年はどんな年になるのか。 昔、共に遊んだ(志を同じくした)友たちを懐かしく思うも…

王維の詩「畫」に思う

畫 王維 遠看山有色, 近聽水無聲。 春去花還在, 人來鳥不驚。 遠くを見れば 山に色有り、近くに聴けば 水に声無し。 春が去っても 花はまだ在り、人が来ても 鳥は驚かず。 「畫」は、唐代の詩人王維の五言絶句。 南宋山水画の祖とも言われる王維が、画を鑑…

賈島の詩「尋隱者不遇」に思う

尋隱者不遇 賈島 松下問童子, 松下 童子に問えば 言師採藥去。 言う 師は薬を採らんとして去れり 只在此山中, 只だ 此の山中に在らん 雲深不知處。 雲深くして 処を知らず 隠棲の友人を尋ねたが不在、松の下で弟子の童子に聞けば、師は薬草を採りに行かれ…

孟浩然の詩「春暁」に思う

春暁 孟浩然 春眠不覺曉, 春眠 暁を覚えず 處處聞啼鳥。 処処 啼鳥を聞く 夜來風雨聲, 夜来 風雨の声 花落知多少。 花落つること知る多少ぞ 春の眠りの心地よさに、目覚めれば、知らぬ間に夜が明けていて、ここかしこから鳥の声が聞こえてくる。昨夜聞いた…

元稹の詩「行宮」に思う

行宮 (唐)元稹 寥落古行宮, 寥落たり 古の行宮 宮花寂寞紅。 宮花 寂寞として紅なり 白頭宮女在, 白頭の宮女在り 閒坐說玄宗。 閒坐して玄宗を説く さびれた故の離宮、そこにはひっそりと紅の花が咲いている。白髪の宮女が静かに坐して、ありし日の玄宗…

李白の詩「静夜思」に思う

静夜思 李白 牀前看月光 牀(床)前 月光を看る 疑是地上霜 疑うらくは是れ地上の霜かと 挙頭望明月 頭(こうべ)を挙げて明月を望み 低頭思故郷 頭を低して故郷を思ふ 床に明るい月の光が差し込む、まるで地上に降りた霜のようだ。頭を挙げて明月を望み、頭…

王維の詩「鹿柴」に思う

鹿柴 鹿柴(ろくさい) 王維 空山不見人 空山(くうざん)人を見ず 但聞人語響 但だ 人語(じんご)の響きを聞く 返景入深林 返景(はんえい)深林に入り 復照青苔上 復た 青苔(せいたい)の上を照らす ひっそりと静まりかえった山の中に人影は見あたらない…

王之渙の詩「 登鸛雀楼」に思う

登鸛雀楼 鸛雀楼(かんじゃくろう)に登る 王之渙 白 日 依 山 尽, 白日、山に依りて尽き 黄 河 入 海 流。 黄河、海に入りて流る。 欲 窮 千 里 目, 千里の目を窮めんと欲し 更 上 一 層 樓。 更に一層の楼に上る。 鸛雀楼に登って望めば、太陽は西山により…

白居易の詩「問劉十九」に思う

問劉十九 劉十九に問う 白居易 綠螘新醅酒, 綠螘 新醅の酒 紅泥小火壚。 紅泥の小火壚 晩來天欲雪, 晩來 天 雪ふらんと欲す 能飮一杯無。 能く一杯を飲むや無や 私のところに新たに醸し、濾過しない綠螘(りょくぎ)の酒があり、その上紅泥(こうでい)の…

王 翰の詩「涼州詞」に思う

涼州詞 王 翰 葡萄美酒夜光杯, 葡萄の美酒 夜光の杯、 欲飲琵琶馬上催。 飲まんと欲すれば 琵琶 馬上に催す。 酔臥沙場君莫笑, 酔うて沙場に臥す 君笑うこと莫れ、 古来征戦幾人回。 古来征戦 幾人か回る。 白玉の杯に葡萄酒を満たし、今正に杯を挙げんと…

唐代の詩「金縷衣」に思う

金縷衣 唐 杜秋娘 勸君莫惜金縷衣, 君に勧む 金縷の衣を惜しむ莫れ、 勸君惜取少年時。 君に勧む 少年の時を惜しみ取るべし。 花開堪折直須折, 花開いて折るに堪えば直ちに須く折るべし、 莫待無花空折枝。 花無きを待って空しく枝を折る莫れ。 君に勧む、…

王維の詩「九月九日憶山東兄弟」に思う

九月九日憶山東兄弟 王維(唐) 獨在異鄕爲異客, 毎逢佳節倍思親。 遙知兄弟登高處, 徧插茱萸少一人。 九月九日 山東の兄弟を憶(おも)う 独り異郷にありて 異客(いかく)と為り、 佳節に逢(あ)うごとに 倍(ますます)親(しん)を思う。 遥かに知る …

王維の詩「雜詩」に思う

雜詩 唐・王維 君自故鄕來, 君 故鄕 自(よ)り 來たる, 應知故鄕事。 應(まさ)に 故鄕の事を 知るべし。 來日綺窗前, 來日(らいじつ) 綺窗の前, 寒梅著花未? 寒梅 花を 著(つ)けしや 未(いな)や? 君は故郷から来たゆえに、故郷の様子はご存じ…

韋應物の詩「秋夜寄丘員外」を読む

秋夜寄丘員外 韋應物 懷君屬秋夜, 君を懐いて 秋夜に属す、 散步詠涼天。 散歩して 涼天に詠ず。 空山松子落, 山空しくして 松子落つ、 幽人應未眠。 幽人応に未だ眠らざるべし。 君を想う、この秋の夜。そぞろ歩いて涼しい夜空のもと詩を吟ずる。人気のな…

柳宋元の詩「江雪」に思う

江雪 柳宋元 千山鳥飛絶, 千山 鳥飛び絶え, 萬徑人蹤滅。 萬徑 人蹤 滅す。 孤舟簑笠翁, 孤舟 簑笠の翁, 獨釣寒江雪。 獨り寒江の雪に釣す。 山々に鳥の影絶え、径々には人の蹤もない。1艘の小舟に蓑笠の漁翁のひとり、雪の河面に釣りする姿のみである。…

王維の詩「相思」に託す

相思 王維 紅豆生南國, 紅豆 南國に生じ, 春來發幾枝。 春來りて 幾枝か發く。 願君多采擷。 願はくは 君多く采擷(さいけつ)せよ。 此物最相思。 此の物 最も相い思はす。 南の国に産する紅豆は、春が来て、いくつの新たな枝が出ただろうか。願わくば君…